20130204

WiiU(とPS Vita)はなぜ失敗したのか1

なんにも書かないのもアレなので思いついたことをつらつらと。


昨年末、ついに任天堂肝入りの新作ハード「WiiU」が発売され、
またMicrosoftやSCEからも次世代ハードの話題が出始めたことで、
景気の良い話が聞こえなかった据置ゲーム市場もにわかに暖まり始めたようですね。
そのWiiUも年末商戦に乗ってまずまずの台数を販売し、
一部では品薄になるなど好調さを見せた……かと思いきや
年明けすぐに大幅に失速。あっという間に据置首位の座をPS3に返還してしまった。
この流れは完全に2011年のPS Vitaや、あるいは3DSと同じ流れである。
ソフト不足への不満や、ユーザーが期待したほどの性能を見せられないなど、
主な販売不振の理由に挙げられるのもこの二つの携帯機とほぼ同じ。

はっきり言って、今のゲーム機が売れないのは「ソフト不足」なんてものが
理由ではないんじゃないか、とWiiUの苦戦を見ていて思ったわけです。
「ゲーム専用ハードを買いたい」と思っている層は確実にいると思うのですが、
そう言った層に「ほしい」と思わせるアピールがまったく足りないんじゃないかと。
現にスマホ全盛になった今でも3DSは売れているわけですし。


任天堂はWiiUの宣伝をするにあたって、タブレット型の新しいコントローラー
「WiiU GamePad」を前面に打ち出した広告を多数打ちました。
テレビ画面とゲームパッドを組み合わせた新しいゲーム体験、
しかもパッドの画面だけでもゲームが遊べます……と言ったようなCMは
頻繁に流されていたので、おそらくあんまりゲームに詳しくないような層にも
「手元の画面をタッチしてキャラクターを動かせるゲーム」という程度には
WiiUの新しい機能を認識できているんではないでしょうか。
じゃあ「Miiverse」についてはどうですか。
WiiU同士で今流行りのLINEのような無料でのチャットのやり取りができることは
どれだけの人が知っているでしょうか。
たぶんGamePadの存在以上にこれらのSNS機能について知っている人、
あるいは魅力を感じている人はそれほどいないんじゃないでしょうか。

なぜ任天堂が死力を尽くしてこれらのインターネットを使ったSNS機能を
アピールしないのか、僕には不思議でならないのです。
今やTwitterやFacebookのアカウントは周りを見渡せばみんな持っていますし、
先述のLINEも1億ダウンロードを記録するほどの人気ぶり。
わざわざこれらの機能のために数万するWiiUを買う人はそうはいないでしょうが、
3DSを持ち寄ってプレイするのと同じように自宅にいながら
友達とコミュニケーションをとりながらゲームが遊べたり、
同じゲームを遊んでいる人の発言をTwitterのように眺めたり攻略法を検索したり、
アバターやオンライン対応ゲームで見知らぬ人と一緒にプレイしたり……、
これまでになく新鮮で、同時にスマートフォンで慣れ親しんだ
インターネット世代のコミュニケーション手段をWiiUでも使えるということに対して
興味を惹かれる層というのは(少なくともGamePadでどうしても遊びたい人よりは)
かなり多くいるはずです。そのことを任天堂は正確に認識していなかったのでは。

http://www.youtube.com/watch?v=IAYxoRW_gUM

こちらがその紹介CM。
SNS機能についてはサラッと流されちゃいましたね。

ゲームハードの開発現場においては、これまで徹底して「マルチメディア」という言葉が
嫌悪され丁寧に排除されて来ました。簡単に説明すると、
確かにマルチメディアという言葉にはなんだかすごそうな感じがする魔力はありますが、
同時に「難しそう」「よくわからない」と一般人の敷居を上げてしまう印象もあります。
よくわからないものに金を払う人間というのはそれほどはいません。
だからこそ「これはゲーム機です」とまず前提条件として述べておく必要がありました。
機械としては様々なことができる方が優れているので開発者としては
コストの許す限り新しいアイデアをそこに詰め込みたいわけですが、
そんなマルチメディアな機械をユーザーに説明するにあたって企業は
「いろいろなことができるゲーム機です」と紹介してきたわけです。
逆に「ゲーム機じゃないです。マルチメディアです!」と言うとどうなるかというと
こうなります。とてもわかりやすいですね。

しかしこの「マルチメディアのわけわからなさ」は、スマートフォン、
ひいてはApple社の「iPhone」のヒットにより一気に大衆にスピンオフされました。
電話ができて、音楽プレイヤーになって、インターネットもできる。
さらにアプリをダウンロードすることによって新しい機能を追加したり
ゲームを購入して遊ぶこともできる。まさに「なんでもできる機械」。
iPhoneの登場はマルチメディアの世界を10年は前に進めたと思っています。
※筆者は林檎信者なのでちょいちょいAppleのワッショイが挿入されます。ご了承ください。
なにも任天堂のWiiUの「売り出し方」が間違っているとは言いません。
任天堂はゲーム会社であり、そこから発売される機械が
「ゲーム機であること」に固執するのはなんら間違ったことではないですから。
しかしAppleが「見た目のスタイリッシュさ」「タッチ主体の優秀なUX」という
誰にでもわかりやすい美点を前面に打ち出すブランド戦略をとったことで
「あの機械を持ってるとカッコイイ」というオブラートでマルチメディアという
わけわからんモノを包み込むことに成功し大ヒットしたのに比べると、
どうにもWiiUの「二画面で遊べます」「画面キレイです」なんて売り込み方は
ちょっと、かなり貧弱、というか相当マズいんじゃないかなぁ……と思うわけです。
どちらもDSやPS3ですでにやっていることなわけですから。



つずく。

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