20130426

TIME TRAVELERSをクリアしたので


プレイステーション+で絶賛無料配信中(ステマ)のPS VITA / PSP用DLソフト
TIME TRAVELERS」をとりあえず一周クリアしたので簡単にレビューなど!
ゲームのレビュー久しぶりっスね! すみません! ヒョオオオオ!(?)


TIME TRAVELERSは2012年、PS VITAとPSP向けに発売されたLEVEL5製のADVで、
開発スタッフは非常に高い評価を受ける前作「428 〜封鎖された渋谷で〜」から
ディレクターや脚本など一部同じスタッフが引き続き担当。
パブリッシャーこそ違いますが「428」と血統を同じくするADVであります。
ヘッドハント軍団と揶揄される向きもあるLEVEL5ではありますが、
松野泰巳といい須田剛一といい目の付け所がシャープ。
ともすれば「隠れた名作」で終わりがちな「428」のスタッフに目をかけて
自分のとこでのびのびと新作を作らせるクリエイター主義は
もっと評価されてもいいのでは。まぁギルドシリーズとか早くもグダグダだけど。

2031年の東京、18年前に起こった「ロストホール事件」をめぐって、
ある数奇な運命で結ばれた5人の男女がそれぞれの事情を抱えながらも
最終的には世界の危機を救う……というような、お約束と言っては聞こえが悪いけれど、
この手のゲーム好きにはおなじみの王道ADV。
ロストホール事件に巻き込まれ、また生き残った彼ら5人の持つ
「自覚なきタイムトラベル」能力がお話にもゲーム内容にも深く関わってきます。

基本的には5人それぞれの、一見関わりのない物語を交互に切り替えながら、
少しずつ影響し合いつつ物語を結末に導くいつものアレ、
「街」や「428」でおなじみのザッピングシステムに近いシステムを
本作も採用しています。これに本作の鍵となるタイムトラベルが関わっており、
トライ&エラーを繰り返しながら何度も時間を巻き戻して正解を探すことになります。
こういうと難しそうな印象がありますが、実際のところ本作の特に序盤においては
親切にもほどがある救済措置があちこちに用意されております。
行き詰まってもボタン一つでヒントを呼び出すことができますし、
そもそも都合上ゲームオーバーというものがない本作においては
完全な手詰まり、というのはほぼありません。一方で行き場がなくなったとしても
ひとつ前の選択肢に戻ってもう一度よく考えてみればすぐに別の道が開けます。
「ずっと前の選択肢が後々になって影響してくる」というような
ギャルゲーのごとき嫌らしい仕様はまったくありませんので
ボタンを押す指さえあれば猿でもクリアは可能。
まぁ最終章だけはいきなりノーヒントで放り出されるので割と迷うかもしれませんが、
その分ザッピングは2つに絞られるわけで、難易度調整はかなりヌルい。
ストーリーを楽しむこと優先と思えば、割り切ったレベルデザインではあります。
その割に選択肢ではなぜかネタ方面への振り切り方のバリエーションが異様に豊富で、
妻子を誘拐されて一分一秒を争うときに女子高生をナンパしてみたり、
鉄仮面と言われるほど笑わない無表情クールな男子高校生の選択肢に
なぜか常に「小粋なジョークで場をなごませる」という謎行動が出たり、
ある意味で悩ましい要素はやたらあるわけですが。選んでしまうわそんなもん。

5人の男女は同時間軸で行動しているわけですが、一人の物語を進めるだけでは
様々な不運や誰かの思惑に巻き込まれてすぐに行き詰まってしまいます。
この状態を「タイムストップ」といい、物語の進行は一時中断され
どこかの時間に戻るか、あるいは別の誰かに操作を切り替えるかを選ぶことになります。
選択肢を選び直したり、また他の誰かの行動で障害が排除されたりすることで
タイムストップは解除され、先の物語を観ることができるようになります。
たとえばAさんが道を急いでいると知り合いのBさんとばったり会ってしまい
Bさんの長話に付き合わされるとします。このままではAさんの予定が間に合いません。
ここでAさんのタイムラインはストップ。少し時間を遡り別のCさんに切り替えて、
Aさんに会う前のBさんを呼び止めます。すると「AさんとBさんが出会う」という
未来は書き変わり、Aさんは誰にも邪魔されることなく目的地へ到着……、
というような案配。もちろん彼らにタイムトラベルの自覚はありませんし、
そもそもこの5人はほとんど面識がありませんので、
彼らの行動はプレイヤーの見えざる手によってコントロールされることになります。
これこそが彼らの持つ特殊能力「タイムトラベル」なのです。


ストーリーはよく練られたもので、5つのまったく毛色の違う物語、
学園青春ものであったり、刑事サスペンスであったり、
ヒーローだったり詐欺師だったり女子アナだったり様々な特色を持っていて
単体で見てもまずまず楽しめる。さらに終盤でついに5人の繋がりが明かされ、
ひとつの物語へ収束する様はまずまず見応えがある。
ただ王道を押さえるというのはともすれば陳腐になるということでもあり、
端々の演出はあまりにもオーソドックス。特に意識せずとも
「ああ、このシーンがたぶん最後にまた出てくるやろなぁ」とか、
「たぶんこの人も黒幕のひとりなんやろなぁ」とか、
伏線が分かりやすすぎて興醒めしてしまう場面も少なくはなかった。
ユーザーを驚かせよう!という意識が先に出過ぎてて、逆に意外性がなかったかなぁ。
強いて意外だった真相と言えば青い人がド○○○○だったことでしょうか。
真剣に「なんでやねん」とベタに突っ込んでしまった自分が悲しい。

あとは……PSPの画質に合わせたせいで、VITAにしてはちょっとグラが……。
常時リアルタイムポリゴンで描写されているんですが、引きならともかく
アップになったりするとさすがに視聴に耐えない感じ。
というかADVなんだから無理にフルアニメーションにすることないのになぁ……。
レイトン教授よろしくバストアップの一枚絵で全然困らないというか
その方がよかったような気はする。ここは好みの問題かもしれないけども。
なぜか異常に気合いの入ったアクションシーンだけ
ムービーでやればいいのに! なんでナパに力を入れるのか! 説明しろ!
BGMも好みが分かれそう。それぞれのテーマソングが軽いノリのポップスでして、
随所でこれがボーカル入りで流れるもんだから個人的には耳タコな印象。
雛のテーマとかもう一回聴いたらあとで口ずさめるレベルの洗脳ソングで、
音楽の善し悪しは別にしてもちょっとシツコイかなぁ……と思ったり。
それからPSEはいらないです(無慈悲)。

タイムトラベルものということで、いろんなところに名作のオマージュが
散りばめられてるのもこの手のADVのお約束。好きな人は好きでしょう。
さすがにダンガンロンパとかFFXとかを「タイムスリップもの」と括るのは
苦しい気もするけど、若いユーザーでもわかるネタを仕込んでるのは好印象ですね。
だったらと必死で善人シボウデスのネタを探したけど開発期間的に無理か……チッ。
あ、モノクマってもしかしてド○○○○ネタの延長で置いてたのかしら?


ADV初心者でも、ひいてはゲーム初心者でも手軽に遊べるという意味では
ブレがなく遊びやすい本作。あと一歩、もうちょっと、と思う部分は多々あれど、
心に引っかかるところのある佳作、という評価が妥当なところでしょうか。
良くも悪くも尖りがない、触れやすいADVであると思います。10段階で6くらい。



しかしもうVITA出て一年以上経つんだから、そろそろスマホで流行りの
洗練されたタッチインターフェイスのゲームも一本は出てきていいと思うんですが。
未だにでっかくボタン出して「画面にタッチしてネ」という
DS初期の頃からなんら進歩がないUIばかりというのは悲しい限り。
こういうところはほんとに日本の開発会社は遅れてる。猛省してください。

タイムトラベラーズ

0 件のコメント:

コメントを投稿